知っ得コラム(厚木市立病院)
安全な医療を受けるための「知っ得」ポイント
医療安全管理担当 坂久保 洋子
~患者さんやご家族は安全・安心な医療のパートナーです。~
病院には沢山の患者さんが受診しています。職員は皆様に安全・安心な医療を提供し、1日も早い回復を願い治療を行っています。
しかし、医療の現場では、思いもかけない事故が起こることがあります。
体力・筋力が衰えて転んだり、よく似た名前の薬があったり、色々な危険が潜んでいます。そのため医療現場では、システムや安全トレーニングを行い、事故防止対策に取り組んでいます。更に安全性を高めていくために、職員は患者さんやご家族と一緒に、安全について取り組み、患者さんを守りたいと考えています。
1 名前を伝えましょう!確認しましょう!
「お名前をフルネームで言ってください」顔なじみな方も何度も言わされてと思っていらっしゃるのではないでしょうか。
治療を行うには患者さんのお名前だけでなく、治療を行う部位、右側か左側か、など沢山の確認が必要です。
入院中の名前の腕輪や、治療部位にマーキングをさせていただくなどの事故防止を行っていますが、患者さんも協力して頂く事で安全性が高まります。
2 転倒・転落を予防しましょう!
いつもと違う部屋やベッド等、慣れていない環境は、様々な危険が潜んでいます。また、筋力の低下や治療上必要な薬剤などの影響で転びやすくなります。睡眠薬を飲んだ時も転びやすくなります。
ご家庭で日ごろから筋力アップの運動を心がけましょう。スリッパは避け歩きやすい靴がよいでしょう。
3 薬の間違いを防ぎましょう!
今、飲んでいる薬はありますか?どのようなお薬をいつ飲んでいるのかが、分かるようにお薬手帳を持参しましょう。
薬を受け取ったとき、自分の薬に間違いないか、使い方、飲み方を確認しましょう。
4 受診した時は、自分の状態をしっかり伝えましょう!
体のどこが、いつからどのように具合が悪いのか、何を治してほしいのか、思い当たる原因、現在・過去の病歴、他の医療機関での治療経験などをあらかじめメモにまとめておくと、短時間の診療時間を有効に活用できます。
5 医療従事者からの説明を充分に聞きましょう!
わからないこと、質問したいことがあったら、遠慮せずその場で聞きましょう。できればメモを取り、医師が説明する内容が書いてあるパンフレットなどを持ち帰り確認しましょう。
6 これでいいのかな?と思ったら確認しましょう!
わからないことや、少しでも「変だな」と感じた時は、質問しましょう。何か手違いがあるかもしれません。医療機関では細心の注意を払って安全な医療を、提供できますよう勧めていますが、医療事故を防ぐには患者さんやご家族の協力が必要です。
7 退院が決まったら、安心して療養できるよう準備しましょう!
日常生活で気を付けなくてはいけないことや、具合が悪くなったときの対応方法を確認しましょう。具合が悪くなったときは、できるだけ昼間のうちに、病院に連絡し早めの対応に心がけましょう。
8 かかりつけ医療機関を持ちましょう!
かかりつけの医療機関を決めておくと、診察を受けるたびあなたの情報が記録に残され、生活習慣の情報も記録されるので安心です。
また、医師や看護師とも顔見知りになり質問や相談がしやすくなります。
病院を受診されるとき、以上の8つのポイントを参考にしていただくと、安全でスムースな医療を受けやすくなります。病気や怪我を治すために、患者さんやご家族のご協力が必要です。病院をご利用していただくとき、ご活用ください。
(参考文献:神奈川県看護協会「あなたが安全な医療を受けるための8つのポイント」)
持参薬チェックコーナーについて
薬剤管理指導室 野村 恭子
「持参薬」とは、入院時に患者さんが持ってきたいつも服用している薬のことです。「持参薬」は、当院から処方された薬だけでなく、他に受診している医療機関の薬もあります。
2005年に京大病院で、70歳代の入院患者さんが、持参薬を過剰投与されて、お亡くなりになるという事故がありました。1週間に1回服用する薬を、毎日服用させてしまったのです。持参薬をどの様に服用していたか、確認が不十分だった為に起きてしまった事故です。持参薬は、入院してから医師の指示で処方された薬と違い、情報の把握不足・間違いが起こりやすく、事故の温床といわれています。
「持参薬チェックコーナー」では、薬剤師が持参薬の内容をチェックしています。持参薬の内容を正しく確認することは、患者さんに安心して治療を受けて頂く為にとても重要です。
[薬剤師による持参薬チェックの利点]
(1) 医薬品名、規格(mg数など)、成分名、薬効、用量・用法等を正確に確認し、医師へ情報提供することで、入院中の治療の向上になります。
(2)当院に採用されていない薬は、当院採用品の中から同成分薬や代替薬の情報を提供することで、入院中の薬物療法が円滑に行えます。
(3)複数の医療機関受診による重複投薬、相互作用の有無の確認などができ、薬物療法の有効性・安全性が向上します。
(4)患者さんやご家族に面談して、薬の副作用歴やご自宅での服薬状況を確認することで、薬剤師の入院患者さんに対する病棟活動の質が向上します。
(6)手術前に中止が必要な薬が、確実に中止されているか確認し、安全に手術が行えるようにします。
他の医療機関から処方された薬もあり、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の増加もあるため、医師、看護師が識別できない薬も多く、薬剤師による持参薬のチェックは、重要性が増してきています。現在は、一部の予約入院の患者さんに、持参薬チェックコーナーに寄っていただいています。今後、全ての入院患者さんに、薬剤師による持参薬チェックを行えるよう目指しています。
入院中は、治療のため、持参薬を使用せずに、当院から処方されたお薬を使用していただくことがあります。医師の指示で中止となった持参薬は、ご本人に確認後、処分する場合がありますのでご了承ください。
指差し呼称で間違いは減らせる
医療安全管理担当 坂久保 洋子

指さし確認「〇〇よし!」
「人間は間違いを起こすもの」どうしてでしょう?
「私は、常に注意しているので間違えたことはありません!」と答えますか?
人間はいつもベストな状態で生活しているわけではないですよね!
人間は誰でも間違いを起こします。電話のダイヤルも20回に1回は間違えるし、外出し「あら!玄関の鍵が閉まっていない!」と、不安になることはありませんか?
そう、思い込みや度忘れです。それは、加齢変化ではなく、どなたにでもあります。特に忙しい時、短時間に仕事を済ませようとすると、無意識に何かを省略します。こんな無意識の行動を、どのようにしたら意識化し間違えないようにできるのでしょう。身近な例ですが、電車のホームやバスの運転などで見掛けたことがあると思いますが、「指差し呼称」という日本国有鉄道で創始された日本オリジナルな安全確認法です。
方法は、自分の確認すべきことを指差し、注意すべき物をしっかりと見て、はっきりとした声で「○○○ヨシ!」と呼称します。
「(財)鉄道総合技術研究所」の実験結果では、“何もしない場合に比べて”事故は6分の1に減るという結果を出しています。医療の現場でも使われています。
大脳生理学的には、口の周りの咬筋の運動の伝える刺激が脳の安全な処理に効果し、
腕の筋肉の細胞への刺激は、大脳の働きを活発にする。
視覚だけでなく、指差しによる運動知覚、呼称による筋肉知覚や聴覚なども使うことによって、強く印象づけられてより正確になる。と言っています。
(中央労働災害防止協会 ゼロ災運動推進者ハンドブック参照)
知っとくコラムバックナンバー(20110930まで)
知っとくコラムバックナンバー(20110930まで)
- むずむず脚(PDF形式:100KB)
- 乗り越えられるパニック障害(PDF形式:120KB)
- 小さいお子さんへの「上手な薬の飲ませ方」(PDF形式:91KB)
- 腰痛予防の理学療法(PDF形式:1,884KB)
- 医薬分業について(PDF形式:174KB)
- 小児のホームケア(発熱)(PDF形式:767KB)
- 小児のホームケア(吐き気・嘔吐)(PDF形式:1,695KB)
- 小児のホームケア(下痢)(PDF形式:1,447KB)

















