食物アレルギー診療
厚木市立病院における食物アレルギー診療
食物アレルギー診療ガイドライン2016では「必要最小限の除去」「安全性の確保」「栄養面への配慮」「患者家族のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)維持」が強調されています。
当院では、外来診察、血液検査、皮膚検査、食物負荷試験を通じてこれらの項目を達成し、県央市区にお住いの方々のQOLを向上させるお手伝いをしています。
アナフィラキシー(重症のアレルギー反応)が出た際は、24時間365日体制で救急対応を行います。
また、かかりつけ医と文書などでやり取りすることで、より強固な医療ネットワークを構築します。
食物アレルギーでお困りの場合は、積極的にご相談ください。
食物負荷試験
目的
食物アレルギーの血液検査では、反応が出ても症状なく食べられることも多く、食物アレルギーを確定させるには実際にその食物を食べてみないと正確な診断はできません。
また、食物アレルギーと診断されても、成長と共に食べられるようになることもあります。
当院では、アレルギーが疑われる食物を実際に食べて症状が出てくるかを評価する「食物負荷試験」を通じて、診断と食事の指導を行っています。
食物負荷試験当日の流れ
食物負荷試験は、全例入院で行います(日帰り入院もしくは1泊2日)。
検査当日の朝に外来で健康チェックを受けた後、病棟の準備が整い次第、医師・看護師の監督の下で検査食を食べます。通常は事前に設定した目標量を3回に分けて摂取しますが、患者さんの状態によっては適宜アレンジを加えることもあります。
途中で出てきた症状の程度に応じて継続・中断を判断します。日帰り入院の予定でも、重い症状が出てきた場合は1泊入院となることがあります。おおむね正午過ぎに検査食を食べ始め、夕方ごろに退院の判断をします。
食物負荷試験を受けるまでの手順
当院の外来を受診し、これまでの状況や血液検査の結果を評価して、食物負荷試験を受ける必要性があるかを判断します。
試験を受ける必要性ありと判断された場合は、外来で検査する食物の目標量を設定し、入院予約をします。予約取得日から入院日までは、準備期間として2週間程度設けさせていただきます。
初回の受診の際は、かかりつけ医などで発行された紹介状をお持ちください。紹介状がなくても受診はできますが、別途選定療養費(7,700円)がかかります。
また、入院の予約・変更は電話では受け付けておりません。診療時間内に担当医師の外来を受診し、ご相談ください。
食物負荷試験後
退院の際に検査した食物を自宅で食べられるか、医師から説明があります。
退院後、自宅でも無理のない範囲で食べていただき、外来で最終判定をします。また、管理栄養士に加工品などを用いた食事の支度などについて相談ができます(別途要予約)。
重症なアレルギー反応があった場合は、緊急治療薬のエピペン®を処方することがあります。