厚木市立病院

骨盤臓器脱センター

誰にも相談できずに悩んでる方に寄り添う診療を

女性骨盤臓器脱は、膣壁が反転し外陰部から脱出してくる疾患です。出産により骨盤支持組織が緩むことが本疾患になる因子と考えられています。60歳以上の方が罹患することが多く、しばしば外陰部に『できものがある』『何かが挟まっている』などと訴えて来院される方が多くいらっしゃいます。


また、前膣壁がたるむことによりその裏側にある膀胱や尿道も通常の位置から下降するため、『尿が気持ちよく出ない』『力を入れると尿が漏れる』などの排尿障害を訴える方も少なくありません。『性器の脱出』と『排尿障害』は密接な関係があり、排便障害を伴うこともあります。



当院では令和5年5月から産婦人科、泌尿器科及び肛門外科の各診療科が、それぞれで行っていた骨盤臓器脱診療を『骨盤臓器脱センター』として統合することにより、一元的で質の高い診療を行えるようになりました。


女性骨盤臓器脱は産婦人科が窓口となり、泌尿器科や肛門外科と連携し診療を行います。男性の直腸脱(脱肛)は肛門専門外来で診療を行っています。

産婦人科部長
茂木 真
[専門]婦人科腫瘍/産婦人科一般
日本産婦人科学会専門医/日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医/がん治療認定医

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泌尿器科部長
畠 憲一
[専門]尿路悪性腫瘍、女性泌尿器
日本泌尿器科学会認定専門医・指導医/緩和ケア研修修了医/日本がん治療認定医機構がん治療認定医/日本泌尿器内視鏡学会腹腔鏡技術認定医/日本内視鏡外科学会技術認定医

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肛門専門外来
(非常勤医師)
羽田 丈紀
日本外科学会専門医/日本消化器外科学会専門医・指導医/日本消化器内視鏡学会専門医・指導医/日本大腸肛門病学会専門医・指導医・評議員/日本臨床肛門病学会技能指導医・評議員/内痔核治療法研究会世話人/愛宕おしり研究会代表世話人

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治療方法

骨盤臓器脱の治療には『手術療法』と『保存療法』があります。当院では主に手術療法を行っています。手術療法には『経腟的な修復術(native tissue repair : NTR)』とメッシュ(補強材)を用いた『腹腔鏡下仙骨膣固定術(laparoscopic sacrcolpopexy)』とがあります。


患者さんの希望を踏まえた上で、子宮脱、膀胱脱の状態、症状、年齢、糖尿病などの合併症の有無を考慮して術式を決定しています。保存療法としてはペッサリー(膣内に挿入して臓器の脱出を軽減させる器具)の使用を行うこともあります。状況が慢性化した場合は、お近くのクリニックなどに紹介しています。


  経腟的な修復術
(native tissue repair : NTR)

最も多く行う術式は、「腟式子宮全摘術」及び「前後膣壁形成術」です。脱出した子宮を牽引し経腟的に摘出します。その上で膀胱腟中隔(筋膜)を縫縮し前腟壁を補強し、左右の肛門挙筋を用いて後膣壁を補強します。また、子宮摘出後の患者さんには、筋膜と肛門挙筋を用いた形成術のみを行うこともあります。手術創がなく、異物が体の中に入りません。75歳以上の高齢の方や糖尿病などの合併症のある方におすすめです。


  腹腔鏡下仙骨膣固定術
(laparoscopic sacrcolpopexy)

下腹部の4~5ヶ所に5~12mmの筒状の医療器具(以下、ポート)を挿入します。

そこから二酸化炭素ガスを注入してお腹を膨らませます。

同じくポートから、カメラと細長い手術用鉗子を挿入し、膀胱、膣、直腸にメッシュを縫い合わせます。そのメッシュを頭側へ吊り上げて仙骨に固定するという手術方法です。

特に性機能の温存を希望される方には良い適応です。性機能の温存を希望せず、子宮体部を摘出する場合は、子宮を取り出すために創を1箇所広げる必要があります。

手術は全身麻酔で行い、多くの場合約3~5時間で終了します。お腹の中の癒着などのため、さらに長時間を要することがあり、場合によっては開腹手術に移行する場合があります。

診療実績(件数)

手術名 2022年度 2021年度 2020年度
産婦人科 経膣的な修復術 32 25 15
泌尿器科 腹腔鏡下仙骨膣固定術 11 10 7
肛門外科 直腸脱手術 7 4 6
合計 50 39 28

診療日時

産婦人科の初診外来枠(月~金曜日)で受付

(外来担当表を見る)

受診方法

骨盤臓器脱センターは、出来るだけ紹介状を持って、医療機関やご本人から事前予約して受診されることをお勧めします(予約がなくても受診は可能です。

なお、紹介状をお持ちでない場合は、通常の診療費とは別に選定療養費をご負担いただきます。

電話での予約 平日(月曜日~金曜日)午後3時~午後5時

(電話)046-221-1570 内線3135 予約係

来院して予約 平日(月曜日~金曜日)午前8時30分~午後5時

(場所)3番外来受付

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 医療機関の方へ

骨盤臓器脱センターは、必要であれば積極的に手術療法を行います。これらの疾患でお困りの患者さんがいらっしゃいましたら、ぜひ御紹介くださいますようお願いいたします。ご不明な点があればお問い合わせください。

 

なお、御紹介の際には、お手数ですが事前に患者支援センターへ連絡をお願いします。(診療情報提供書・紹介状をご活用ください)

 

患者支援センター (電話)046-221-1570 (内線)3145
(FAX)
046-294-3335

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患者支援センターへ

 

 

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